建ててから14年目のお宅訪問
その後の暮らし、いかがですか?

愛着のあるわが家へ、「ようこそ」

雪国らしさを感じさせる雁木のアプローチを進み、玄関のドアを開けると、天井がぐんと高く、抜けるような空間が広がります。
目に飛び込んでくるのは、玄関正面に取り付けた箱階段の飾り棚。新築当時の思い出や、14年経った「今」のお住まいの様子や暮らしをお聞きしたく、雪解け間近の早春、M様のお宅を訪ねました。

飾り棚は、M様が飾りたかったお人形や、旧家で使われていたらんまの大きさに合わせて片建設の大工がつくりました。らんまは、照明を灯すと組子のパターンが浮かび上がり、やさしい光で玄関を彩ります。

玄関ホールから格子の引き戸を開けると、思わずわぁっと声が出てしまうほど開放感のあるリビングが。大きな窓からは桜の木が見え、開花時期には家の中でもお花見を楽しめるんだそう。

「窓が大きくて陽が当たると明るくてあたたかいし、ここは北から南に抜ける風が最高なの。あちこち開けておくと風通しが良くて、夏はよほどの暑い日以外はエアコンなしで過ごせるくらい。」

キッチンの脇には、折りたたみのカウンターも備えられていますが、これが必要な時だけ広げられるすぐれもの。毎年、お餅をつく時には親戚の子どもたちを呼んで、カウンターを広げてお餅を丸め、きなこやあんこを付けます。みんなでわいわい賑やかに食べるのが恒例行事なんだとか。

リビングの吹き抜けにせり出したロフトの入り口は、お孫さんたちのお気に入りの場所。

「ロフトは『ここ僕のお家』って、孫が楽しそうで・・・。」

お孫さんが喜ぶのもそのはず。ロフトは天井上の小屋裏空間を生かした造りで天井が低く、秘密基地のよう。
大人でも楽しくなってしまう空間です。

暮らしに合わせた間取り

障子の開け閉めでイメージががらりと変わる。中央のふすまの奥に仏壇があるとは一見わかりません

LDKの隣に設けた和室は、開放して広々と使用できるようになっていて、統一感を持たせるために和室のふすまとキッチン後ろの収納扉を同じように合わせてつくりました。

「私の実家にお仏壇がなかったから、お仏壇がある部屋で泊まってもらうのに違和感があって・・・。だからお仏壇のところは、押し入れのような感じにしてもらいたいって、お願いしたの。」

「つまみ細工」の制作の様子をちょっと拝見。

新築時にウッドデッキだった場所は、その後、M様ご自身の趣味である陶芸や雑貨づくりなどの手仕事をする場所にしたいと、アトリエに改装されています。ライフスタイルの変化に合わせてご自身が工夫し、住まいを積極的にカスタマイズして楽しまれています。

好きなものに囲まれて暮らすM様は、時にはリビングを活用して作品展を開くこともあるんだそう。さらには尺八の演奏者を自宅に招き、演奏会を開いたこともあったとか。
「天井や床が木で吹き抜けだから、音の反響がいいみたいで。演奏する人が『ここいいね』って喜んでくれたんだよね。」

一緒に家造りに参加

M様の作品たちは、家の中だけでなく玄関に入る前から、家の一部として生かされていることも特徴的です。

例えば、玄関ポーチのポストも陶板でご自身がつくったもので、さらにポストを支えている木も、工事前に伐採した庭のイチイの木をご自身で加工したもの。

「これ磨くの大変だったの。片建設の大工さんに教わって、1週間くらい水につけてふやかして、茶碗のかけらで磨いたんだよね。」

立てかけている月替わりカレンダーもご自身の作品

洗面台の手洗い鉢もご自身で制作。なんとそれをのせる台も板をバーナーで焼き、木目を出すために大きなたわしで何度も磨いたというからびっくり。

「黒い板を磨くと、すすで鼻の中真っ黒になって(笑)。」

「家造りに一緒に参加したい」というM様が出すアイデアに、大工が相談にのりました。「こうしたらどう?こんな風にしたらいいんじゃない?」と話し合いながら進めた家造り。作業を思い出すその表情から当時の楽しさが伝わってきました。

南西の陽ざしで焼けた下見板。

まだまだやりたいことがあるというM様。今度は何を?

「外壁の色が落ちてきているから、自分で塗装したいなと思って。手が届く低い位置だし、今年挑戦しようかな。」
大好きな自分の家を自分でメンテナンスしてみたいと話すM様。(新築当初から担当している設計管理の)相羽さんがやり方を教えてくれたからやってみるんだそうです。

「あぁ、いい色になったなぁ」って思う

新築当初「白太(しらた)」と「赤身(あかみ)」の色の違いがはっきりしていた床や天井の無垢の杉板は、歳月を経てなじみ、なんともいえない深みのある艶色になっています。

キヌカはお米から生まれた自然素材の塗料

自然素材である無垢材は、工業製品の新建材と比べて「キズやお手入れが気になる」という人もいますが、M様にとっては経年変化や手入れも楽しみの一つ。

「無垢の床のお手入れは全然大変じゃないよ。こぬかを布袋 に入れて磨いたりしてたけど、最近は『キヌカ』でたまに磨いてる」
そう言いながら、キヌカをガーゼの端切れに浸して、床の白く擦れた箇所を磨いて見せてくれました。

「節のない床や天井も悪くないけど、私はあったほうが、木の個性が感じられて好き。」
磨いた場所は艶やかになり、杉板が元気になっていくよう。
「杉はやわらかいからキズがつくけど、それもいい味になるんだよね。梅雨時は足の裏の湿気が取れてベタベタしないし、冬はあったかいの。」

杉床はやわらかいところが自然にすり減り、筋の固いところが少し浮き出てきている様子。その変化も慈しむように、M様は続けます。

「天井も、ソファに腰かけて見上げると、『あぁ、いい色になったなぁ』って思うよね。」

ずっとこんな家が欲しかった

片建設との出会いは、知人のお宅へ伺った時だったというM様。
「木がね、何ともいえないすごく素敵なお家で、片さんが建てたっていうのを聞いて、その時初めて片さんを知ったの。」
それから数年後、思ったより早く建て替えをすることになり、「こういう平屋を建てたい」と、好きな雑誌を片手に、片建設にお願いしたことを楽しそうに話してくださるM様。

「不思議なもので、家を建てる前は全然見学会に行かなかったのに、家が完成してからなぜか他の家の見学会に行ってみたくなって、見に行って、『こんな感じもいいね』って思うんだけど、最後は『やっぱり自分の家が一番いいわ』って満足して帰ってくるの。おかしいよね。」

そう言ってほほ笑むM様は続けます。

「こんないい家造ってもらって、毎日この家で楽しく暮らせて、本当に幸せ。」

営業 服部から

手づくりのものが好き、キズがついたり使い古したりして馴染んだ味わいがあるものが好き、というM様。お孫さんの描いた絵や、お気に入りのものに囲まれて、毎日の暮らしを丁寧に楽しんでいることが伝わってきました。お家から伝わるそのやさしさは、いつもあたたかく迎え入れてくれるM様のお人柄そのもの。
M様の日々の暮らしぶりを伺ったことで、「家は、人が暮らして馴染み、どんどん魅力を増していくもの」だということを感じました。

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